テレマークスキー前転日記~ケガに注意!!

ヘタレスキー部も還暦.部員1~2人 @札幌

医学部・看護系を目指す親子のために その1.看護師を目指す親御さんへ

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3月24日のブログに書いたとおり、

 

maruhenyasu.hatenablog.com

 

2019年3月に受験生の親生活が終わりました。
父は1浪で東京6大学の文系、母は高卒という家庭環境。立派なことが言えるほどではありません。
わが家には子どもが3人いて、全員が最初は医療系を目指しました。夫婦ともにまったく知識も経験のない進路で、その都度調べたりしながら、何とか全員を教育しました(まだ残っているけど)。

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3人はそれぞれ受験に失敗しています。
第1子は高校受験に失敗。私立高校に通い、本人いわく数2が分からず医療系を断念。大学は本州に行きたいようでしたが、あまり勉強熱心じゃない子を送り出すほどゆとりもやさしさもないので、国公立を受けて、落ちて地元の私立大学に進み地元に就職しました。
第2子は安全に受かる高校を選び、卒業後の進路は国公立の専門学校に落ちて私立に通い、この春無事に国家試験に合格して就職で北海道を離れました。
第3子はランクを落として公立高校に入り、二浪して初志貫徹の医学部に入り、北海道を離れました。

専門学校か大学看護学科か

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よく聞かれるのは、看護師になるための進路です。
大学に行くべきか、専門学校でいいか。特に親元を離れて国公立の大学看護系に行かせるべきか、地元で専門学校か。
いろんな考え方があり、答えは1つだけではありません。なので、うちはどう答えを出したかを紹介してみようと思います。

第2子は子どものころから看護師志望でした。同時に勉強が嫌いでした。それでも、最低限の勉強をさせて、高校まで入れました。いや、正確に言えば高3の夏まではよかったのです。高3の秋以降も勉強しなかった。それが致命傷でした。
高校の担任教員は、ただひたすら大学進学を勧めます。大学進学実績がほしいからです。でもボクは、はなから大学に行かせる気がなかったので、最初から専門学校志望。理由は簡単、勉強が嫌いな子を1年多く学ばせるのは、苦痛でしかないからです。1年でも早く社会に出たい。その気持ちはボクも分かります。

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戴帽式

看護師の国家資格を取るために、3年制の専門学校と4年制の大学でどう違うかを、説明しましょう。その差はありません。大学が1年余計にかかるのは、資格取得以外の勉強をするからです。
では、就職で差はないか。差はあります。例えば、北海道大学附属病院は、専門卒を採用しないようです。
給料の面の差はどうか。差はありません。月収で1万円程度違うようですが、1年早く就職して、4大卒と同じ年齢ではベースアップと昇給があるわけですから、けっきょく差はないに等しいですね。
キャリア形成に差はあるか。あまり関係ないようです。第2子は、俗に言う本州の旧帝大の大学病院に就職しました。そこの看護部長、副部長は専門卒だそうです。けっきょく、仕事を始めれば実力の世界。そしてキャリアアップは就職後の勉強次第。
ただし、本州の旧帝大看護学科卒の子はとても優秀、別格だとうちの子は言っています。

「子どもが通う高校から専門学校に進むのは数人しかいないから、やっぱり遠くても大学を目指すべきか」という相談を受けました。この高校は、札幌でトップ校と呼ばれる公立4校のうちの1校です。
ボクの答えは、ここまで説明したとおりです。札幌は、国公立大学看護学科が難しい(偏差値が高い)。札幌以外に行けば入れそう、または私立大の看護でも行けそう。しかし、地元を離れれば学費が安くても仕送りが必要。私立大の看護は学費が高い。
大学に行って学びたいならどうぞ。そうでないなら専門学校がいいと思います。

『大学で学ぶ一般教養は大切.人生を豊かにする』はそのとおりですし、『大学というモラトリアムは人生において大切な時間』という意見も賛成です。ただ、勉強が嫌いなんだから、大学に行った人間の意見を押しつけるのは違うとボクは思います。

なお、看護師と医学部の初期は、ほぼ同じ内容を学んでいるようです。どっちも専門職養成学校ですからね。


看護師を目指す子を親は応援し続けた

 
2001年10月07日

欲しいものを買ってもらえず、姉の七五三参拝後、母親に靴を投げつける第2子。我ながらうまく育てたと思います(笑)


第二子は、看護師になるために生まれてきたような子です。汚いもの、めんどうなことをいとわない、奉仕の心が強い、死を冷静に受けとめることができる。そして、勉強は嫌いだけれど、働くことは好き。

ノラネコとしてわが家の回りをうろつき、冷たい雨が降る秋の夜に家に居着き、住み着いたネコが、数年前の2月に最期を迎えました。
高3になっていた第1子は、悲しくてただ泣くだけ。しかし中学3年の第2子は違いました。下のお世話、体の保温、そして臨終までをみごとに看取ったのです。学校を1日サボって納得のいく看護をし、数日後の早朝に死にました。
その後もときどきみごとなホスピタリティを発揮しました。吐しゃ物の処理とかをイヤな顔をしないでできるのです。しかも手際よく。

専門学校の病院実習では、入院患者さんに下の名前で呼ばれ、短い期間にもかかわらず、ずいぶんかわいがられたようです。
こういった子なので、親としては看護の道に進む子に対して何の不安もありませんでした。

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死ぬ前の年の夏

ただ、今でも忘れられないことがひとつあります。
中学の、将来の進路希望調査の際、第2子が「看護師」と答えたら、中学教諭が「たいへんな仕事だから考え直してはどうか」と指導したというのです。
ボクは愕然としましたね。

こういう経験を積み重ねた結果、『高校受験は親の受験』と考えるようになりました。このことは後ほど書いてみます。
しっかりと進路を持った子に対して、その子が希望の進路に進めるような高校選びをしてあげることが親の責任だと思います。

第2子は、本当は医師希望だったそうですが、勉強が嫌いなので、看護師を志望しました。高校受験は、希望する高校よりランクを下げなければならなかったことで、入学後はがんばって旧帝大看護学科を目指すと発言しましたが、けっきょく勉強しませんでした。最初から専門学校を目指したわけではないのです。
そして、専門学校受験でも高校受験と同じ失敗を繰り返し、国公立が不合格でした。
ボクは、「勉強しなかった自分の責任なので、看護師をあきらめて就職しろ」といちどは言いましたが、女房に説得され、私立の受験を認めました。

そして3度目の受験が看護師国家試験。この子はあいからわず勉強しない。3回目ともなれば、女房とボクはお金で解決する道を選び、年末と年始、受験対策ゼミに通わせました。高い受講料を払って(笑)。
その効果は絶大だったと思います。国家試験に落ちたら目も当てられませんからね。

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第2子が高1


今は一人暮らしで、寂しいこと、たいへんなことも多いと思いますが、仕事はうまくやっているようだし、上司からも一定の評価をもらっているようです。
組織や人事管理がいいらしく、働きやすいと言っています。先輩や上司がサバサバしていてつきあいやすいと。
親としては、北海道に戻ってきてほしい気持ちもありますが、札幌の病院ではうまくやれない気がしていて、働きやすい今の職場を大切にしてほしい気持ちもあります。