2月後半からなぜか毎週末ごとに体調不良で、スキーに行きたい日に行けない状態が続いた。今日は病み上がりでまだ痰が絡んでまだ咳が出るが、天気good、気温もよさげなので出かけた。
なんたってあんな残念な塩丸で終わりたくないし、低山はそろそろ終わりだから気持ちよく滑りたかった。
朝ダラダラしたので出発が遅れ、塩谷駅を出たのが9時25分。歩き出したら暑い。TSデザインのアミアミアンダーウェア、モンベルの長袖Tシャツ、その上に化繊のダウンだったので果樹園で脱ごうとも思ったけど、もうちょっとそのままいこうと思った。
シールで歩き出してしばらくして、やっぱり脱いだ。ちょっと汗をかきすぎてしまった。
雪は、小川を渡って急登をのぼったあたりからけっこうよくなった。ときどきモナカだったりするが、おおむねいい状態。しかしですね、風邪のあとで呼吸が整ってないからか、とにかくつらい。塩丸は標高500mくらいまで上がって海が見えるとテンションが上がって疲れが吹っ飛ぶんだけど、今日は疲れが蓄積してきた。
あと、いつもは滑るコースを見るために山頂に向かって右に進路を取ることが多いが、今日は先行者のあとをトレースし、尾根に乗ってそのまま山頂下までのぼった。
山頂には登山の人たちがいて、春だなあと思ったよ。ちなみに、森の中でボーダー2人とスライドした以外は、滑りの人はいないように思えた。スキーの跡は早朝下山者かな。
山頂看板で写真を撮り、そそくさとスキーをdepoした場所までおりた。どうもおしゃべりな女性が山頂にいるとボクは距離を置きたくなるようだ。
滑走準備して、2月とは違い広い斜面を狙って、山頂下の林を抜けてからコースを決めることにした。
確かボーダーの滑走痕があったはずだが、滑りはじめたら途中からはまっ白なノートラックが広がった。
青い空、青い海、白い雪。滑っているのは自分だけ。
久しぶりにアドレナリンが出た。最高かよ!
薄い新雪を「シューッ」と音を立ててスキーが切っていく。トラックを刻む。ゆっくりとしたテレマークターンで自然に落ちていった。
その後、林に入ってツリーランとなったが、こちらも調子がいい。うまく言えないけどテレマークよりアルペンターンで滑るとすごく気持ちがいい。
何だよ、今日は過去一かよ!
急斜からは安全を優先してシュテムとかいろいろ使っておりたけど、疎林で枝が顔に当たって血がにじんだ(笑)。
小川を渡ってからはストップ雪。ここまで楽しすぎたのでぜんぜんいいや。大きなプルークボーゲンでなるべくかかとに乗り、楽しい時間が終わった。
スキーを担いで塩谷駅を目指して歩き、3人の老人と声をかわした。自分も住民の皆さんも春の陽気でうれしい気持ちなんだな。「こんにちは」って声をかけたボクもご老人たちも笑顔(^_^) 「山頂はどうだった?」「スキーかい?」そんな質問をもらってボクも笑顔でこたえた。
こんな経験初めてだった。
帰りは小樽の定番・栗原のかまぼこを990円も購入し、札幌市内で用事を足しながら15時ころに帰宅した。
今シーズンのスキー行きは、今日で14回目。ナイターが多いので滑走時間は長くない。
内訳は、アルペン6回、テレマーク6回、バックカントリーテレマーク4回(重複あり)。
なお、アルペンは3月16日のオーンズナイターで滑り納めとした(この時も風邪をひいていた)。アルペンもすごく楽しいシーズンだった。買い換えたREXXAM(レクザム)のトルク100のブーツが自分にスゴく合っているようで、足元がとてもいいんだ。道具のスポーツだから、道具がはまると楽しさが増すよ。
追記:テレマークスキーについての自己否定感と肯定感
シーズン初め、ボクの場合は今年に入って1月上旬の札幌国際や美唄で滑ったころは、もうテレマークやめようかと思った。うまく行かないし、楽しくもない。数年前はなぜ30度斜面を滑れたのか不思議でしょうがなかった。いま滑れる予感がしなかった。そのくらい、滑りかたを忘れたし、失った感覚は容易には戻らなかった。
アルペンもうまく滑れなかったけれど、これまでの経験から滑り込めば必ず戻ってくることが分かっていたから、テレマークをやめてアルペンだけでもいい気がしてきた。3時間くらい滑るとヒザが痛むし、翌日以降、週末まで階段を降りるときに左ひざがうまく曲げられないほど不調になる。そろそろ潮時かなと思った。
それが、美唄で滑り込んで以降、徐々に良くなってきて、山はぜんぜんダメだけどゲレンデでは滑れるようになってきた。そうなると、テレマークスキーはただただ楽しい。滑れないことすらも楽しくなってくる。なぞのスポーツだ。
それと、YouTube動画でNISEKOのイメージワークスさんの動画を見ていて、「あ、これかも」という気づきがあった。それが「ブーツの蛇腹をつぶす」という意識だった。ボクにはこのコメントがスゴくまっすぐ刺さり、ようやく、テレマークスキーのコツをつかんだ気がした。
蛇腹をつぶして内足に荷重する
1つのターン終盤に、ニュートラルに戻りながら、前後している足が徐々にそろってくる。そして、次のターンに入る先行動作(これ自体はアルペンと同じようで、ボクの場合は無意識に先行動作ができる)のあと、蛇腹をつぶしにいく。その結果として足に前後差ができてテレマークポジションになるだけ、という思考の順番。
テレマークポジションをとるんじゃない、蛇腹をつぶして内足に荷重する、という意識がボクにはとてもフィットした。
こうして内足に荷重がかかると、外足スキーは方向舵だったり制動機だったりという機能を担う、アルペン滑りにはない不思議な世界がハッキリしてくる。非常に独特の世界だ。
ここまで滑りを整理できると、ずらせないモナカ雪もまあまあ行けそうな気がしてきている。今までできなかったチェックホップターンもできるかも。
思い返すと、自己否定感にさいなまれているときは、ターンでスピンしてしまうためそのことばかりが頭の中を占領し、楽しむすき間がない、なんかそんな気分だった。ターンでスピンするのは、内足に荷重できていないから。内足を雪面に押しつけて荷重しようとムリすると、荷重できないうえに疲れる。さらに楽しくない。
ひざの痛みは改善しないが、あと数年だけ、テレマークスキーを続けてみようと思う。ここまで来たら、一種の特殊技能だから(笑)