4月はものすごいスピードで雪が融けた。4月6日の積丹岳途中撤退からゴールデンウィーク前半まではタイミングが合わず、雪はどんどん消えていく。「もう行けないだろうな」とあきらめかけた連休後半の土曜が風のない予報!! シーズン最終日を楽しむことに決めた。
朝はもたもたして、またしても出遅れる。連休なので、車が多め。それでも流れは悪くないし、林道の雪が途中まで消えていて、T字路まで登ることができた。前回よりは上まで来たので、そこまで遅くならないだろう。何とか12時までに山頂に着きたいと思って、準備を始めた。
自分より先行する車が1台あって、運転席から1人降りてきた人とあいさつ。「スキーじゃないと登れないか?初めての山で要領が分からない」と尋ねられる。装備はと尋ねると、普通の登山装備だという。『4月末に登った人の記録によると、1000mまでは普通に登れるらしい。その先はハイマツの踏み抜きとかあってたいへんかもしれないけど、1000mの稜線近くまで行くと眺めがいいから、行って見たらいい』と返事。ボクも登るから、と付け加えて、その後も後ろを気にしながら登ったけど、ついに一度も見かけることがなかった。
8:40 ハイクアップ開始。足元はブーツ、スキーを担いで休憩所、そして登山道からスキーをはいた。ここまでおよそ15分。
そこからはほぼピンクテープを目印に夏道をたどる。ヤブが立って来てルートが不自由だ。1時間ほど歩いて見晴らしが良くなる。そして、標高900mくらいからヤブでルート取りが難しくなる。
なるべく夏道をなぞるように、木々の間を通るようにルートを探し、標高100mのクラックの入っている斜面より上を歩くように注意しながら何とか山頂直下まで到着。こう配がキツくなるとジグを切っていてもシールが滑る。春のあるあるを思い出した。まあ、山頂までの急斜面はそんなに長くないので、谷足3歩に1回は滑るくらいのつらい感じで何とかtopについた。振り返れば、つぼ足で登れば良かった。
12:00 山頂は正午。ほぼ希望通り。休憩所から3時間だから、体力低下の中、条件が良かった方でしょう。
山頂には4人のスノーシューの方がいて、太陽が虹の輪・halo現象になっていると教えてくれた。ぜんぜん気がつかなかった。
写真を撮って差し上げて、自分もとってもらい、大福を食べた。
この日は山頂までの間に、コンビニおにぎりを2個食べちゃった。そして、500mlのペットボトルに入れたポカスエも飲み干していた。そのほかにハイドレーションパックに水700mlほどを入れてあった。ボクの場合、やっぱりハイドレーションパックがいい。チビチビ飲んで脱水を防げるからだ。
4人組が下山するのと入れ替わりで、ソロのスキーヤーが登ってきた。いろいろ話をして、ボクが先に下山することにした。
だいぶ疲れたけれど、山頂ボウルを滑ることにした。12時に山頂に着きたかったのは、その時間的・精神的余裕がほしかったからだ。
振り返ると、前回からほぼ1ヵ月スキーをしていない。ふと大丈夫かなと頭をよぎったが、不安はなかった。滑走性のいい雪だ。雨による縦ミゾがひどいが、何とかなるだろう。
直下の急斜からいい感じでスキーが滑る。途中からは縦ミゾがハンパないが、自分でもビックリするほど安定してターンを繰り返す。ボウルの底が見えるあたりで1回停止。底まで落とすかちょっと考えて、行っちゃうことにした。LINEを少しズラしてまっすぐ底に向かって滑り込んだ。幸せな時間だった。見上げた写真には、またしてもhaloが写っている。山頂から標高差で200mほどのライドだった。
そういえば、暑寒別岳も山頂からちょっと移動して大斜面を滑るけど、ボウルの地形になっている積丹岳は山につつまれて自分だけに集中できる、ボクにとって無二の山だ。斜度もちょうどいい。
帰路に向かって斜めに登り返し、なるべく夏道に沿って稜線を下ったつもりだったが、途中から大きくルートミスをした。それを修正しきれぬまま標高を落とし、ついに根曲がり竹が立つ標高500mほどまで降りてしまった。これ以上落とすと谷が深くなり、復帰できない。そのまま落としても林道にたどり着くことは分かっているが、戻ることにした。雪がつながった沢形状を渡り、スキーを脱いで登ることにした。途中で根曲がり竹が茂る崖登りにもなって、スキーを持ち上げ、五徳ナイフ(形見のビクトリノックス)のノコで竹を切り、ようやく本ルートの尾根に戻った。ログを見ると、標高差50m以上を登り返したようだ。
このあとも笹につかまったりしながら春山に苦闘して休憩所に到達。ハイドレーションパックの水もなくなっていたので、沢水をたくさんいただき、スキーを背負って林道を戻った。
全部で6時間20分というなかなかに長い山行きとなった。
幸せと反省が入り交じったが、結論としてはいいシーズンだった。やっぱり積丹岳が好きだ。
帰宅してスキーやブーツ、ウエアを洗った。ブーツはだいぶ劣化が進んでいる。
来年は装備を一新して、3バックルになるらしいNTN規格の新ブーツに、センター100mmクラスの板を入手するつもりだ。
反 省
-
スノーソーにもなるノコを持つ
-
ヘッドライトを忘れがち(入れておく。電池式がいい)
-
滑りやすい斜面ではなく、通常ルートを降りること
-
根曲がり竹がくせ者なのは分かっている。来たルートを戻る勇気を
総 括
- テレマークのコツをつかんだのが大きい。斜面状況が悪くても、不安はあまりなくなった。続けてきたかいがあった。ディープパウダーや重い雪でどうかが、新装備で試される(笑)
- BC用のポールは、登りで120cm、下りで115cmにしていい感じだ。
来期へ
- 新装備を入手する。そして、NTNとファット板で練習。
- 現スカルパブーツを修理できるか秀岳荘にきいてみる。補修パーツの供給がなくなってきたらしい。
- 冬の春香山を久しぶりに訪ねたい。桂岡じゃないルートかも。
- 塩谷丸山の疎林を、そのままもうちょっと落としてみる。右方向の尾根っぽいところを地図上は標高差100mくらい行ける。時間と心に余裕があるときにいってみたい。
- 定山渓方面の山を開拓しようかな(よっぽど時間があれば)