スコットランド戦は、どちらもミスの少ない試合でした。スコットランドのスキップ・ミュアヘッド嬢は最後の1投をまず失敗しない。さすがだなと思いました。
というのも、がっぷり4つではありましたが、日本は後攻のときには複数点を取り、先攻のときにはプレッシャーをかけ続けて常に相手に難しいショットをしいて、最後はスキップのミュアヘッドが1点を取るという展開が続くのです。
今シーズン、ロコソラーレ北見はどうなのかというのが、まあ心配なわけです。
何が心配って、これでオリンピックの出場権がとれなかったら・・・。
が、この2試合を見て、世間が言うように世界2位はまぐれではないと思いました。4人ともにショットが安定している。ガマン比べになっても根負けしない。「こんな場面で何ができるんだよ」と素人のおいらが思うような石の配置のときにはスーパーショットが出る。
まあ、毎大会こんな試合運びができるわけはないと思いますが、しかし、技術、体力、忍耐力、コミュニケーションは本物だと思いました。
ロコはクラウドコンピュータ型だと言われます。藤澤選手が作戦を考えていますが、局面では全員が参加して1つのショットを決め、難しい1投は全員で狙いを共有しているようでした。
中央コンピュータの藤澤選手が3台のクラウドコンピュータと情報のやりとりをして、結果、失敗の確率が下がる、心の安定を保てる、試合を優位に運びやすい-という効果を生んでいるようです。
ロコはいま、カナダで今季海外遠征の2戦目を戦っています。1戦目はあえなく予選敗退でしたが、今回は無敗で決勝トーナメント進出です。
海外のトップチームと勝ったり負けたり。どうやらビギナースラック、まぐれではなく、世界トップクラスの力はあるようです。
藤澤選手が入る前から、ロコはじゅうぶんに力をためていたようですね。リード吉田・セカンド・鈴木が崩れないし、ストーンを正確に運ぶスイープの体力と判断力を持っているようです。
サードの吉田知那美選手は、非常に良くスキップをサポートし、妹と鈴木選手をリードしています。
2015年の日本選手権・決勝でもいい戦いをしていました。試合が終わったあとにサードの吉田知那美選手がチーム創設者で当時のスキップ・本橋麻里選手と話し合っている場面をカメラがとらえていました。
2018年の韓国で開かれる冬季オリンピックに出場するには、まず、国として出場枠を取らなければなりません。これは、3月の世界選手権2位でほぼ手中に収めたと言っていいでしょう。あとはどのチームが選ばれるかですが、2016年と17年の日本選手権で決めることになっています。16年はロコが取りました。17年も取れば文句なし、別のチームが取ったらロコはそのチームと決定戦をやることになります。
可能性があるのは、北海道銀行のチームと富士急チームではないかとみられます。
勝負は終わるまでわかりませんが、ロコが優位に進められることは間違いないでしょう。