テレマークスキー前転日記~ケガに注意!!

ヘタレスキー部も還暦.部員1~2人 @札幌

銅メダル!!平昌オリンピック日本女子カーリング・チームLS北見

イメージ 4


2月24日土曜日の夜に歓喜の瞬間がやってきました。
ロコソラーレ北見のメンバーは
本当にメダルを手にしました。




2日が経過してから書くブログなので
記事には出ていない視点で、
簡単にまとめてみます。

10エンド、日本のスキップ藤澤さんの最後の1投を終えて
ナンバーワンはイギリスの赤い石。
得点は日本の1点アップ。
イメージ 1


イギリスのスキップ・ミュアヘッドの選択は3つあったと思います。
1.ミュアヘッドが選んだ日本のナンバー2ストーンをはじくテイクショット
2.置きに行ってナンバー2をとるドローショット
3.ナンバー2を取りに行くけど、ダメなら1点取ってエクストラエンドを迎えるドローショット

ミュアヘッドが1を選んだ理由は、
a.テイクショットが得意
b.藤澤後攻でエクストラエンドを戦いたくない
c.ドローは投げたくない
この3つだったと思います。
一番重要なのは、bだったと思います。
ここがミュアヘッドの未熟なところです。
ミュアヘッドは天才と呼ばれ、
それがためか、まだ自分の感情をコントロールできない。
自分の置かれた状況を第3者的に見ることができないのです。

ショットに自信があるのと同じくらい、
あの場面は藤澤五月から逃げたかった気持ちが強かったはず。
そうでなければ、あんなひどい失敗はしないでしょ。
イメージ 2


なぜミュアヘッドはそれほどまでに藤澤を恐れたのか。
2016年世界選手権で藤澤にコンシードを食らった
2017年もどこだかの大会でボロ負けしている。
ミュアヘッドは藤澤さんと同じく攻撃型のスキップです。
攻撃型のこの2人がガチでぶつかると、
どうやら藤澤さんに分があるようなのです。
理由はスキップ本人ではなく、ほかの3人にあるのかもしれません。

ともかく、
最も重要な試合となったブロンズメダルマッチでは、
ミュアヘッドは自らの攻撃を封印して、ディフェンシブな作戦で臨んできました。
当然ですが、これはミュアヘッドの選択というよりイギリスチームの選択でしょう。

勝つためにはハウスに石をためてはいけない。

それは9エンドまでうまくいっていたのです。
ただ、後半に入って藤澤が後攻を持ち、攻め続けました。
6エンド、7エンドブランク。
8エンドは2点取れずに1点で3対3の同点。
そしてイギリス後攻で9エンドを迎えます。

このエンド、藤澤のチームはショットがかみ合い、
本気でスチールに行きました。
そして藤澤の最終投は完全にイギリスの石の後ろに隠れました。
ここでミュアヘッドは迷わずイギリスの石で日本の石をはじき出すテイクショット(ランバック)に行きます。

イメージ 3


ショットの選択はここでも3つ
1.ハウス内の黄色を打って、自分の赤もなくなるショット
2.黄色を打って赤を残すいわゆるプランB
3.センターライン付近でドロー
ショット選択は、とうぜん1です。

このショットは簡単ではなかったですが、難しくはなかったと思います。
しかし、ミュアヘッドの投じた石はイギリスの赤い石に当たり、その赤い石は日本の石にかすりもせずにスルーしました。

この1投は大きかった。
石が残らなければ同点でミュアヘッド後攻の最終エンド。
プランBの赤の石が残っていれば、1点アップで藤澤後攻の最終エンド。
実際は、ミュアヘッド1点ダウンで後攻を持ち最終エンド。

それまで攻め続けられてかなりストレスがたまっていたなかで、自分が失敗した。
ミュアヘッドはそれを受け入れられない。

イライラのまま10エンド。
2点取るためには石がたまってもやむを得ない。
そして、実際に石はハウスにたまりました。


さあ、ここまで読んでいただけたら、
あなたがミュアヘッドならどのショットを選びますか。
シロウトのボクなら3を選びます。

ミュアヘッドの選択を「攻めに行った1投」と称賛する人もいますが、
あれは自分の未熟さに向き合えなかった1投ですね。

ミュアヘッドは少し修行したほうが良いです。


金メダル・ロコソラーレ北見が世界一になるために
さて、ボクはオリンピックの前に、
チーム藤澤は金もあるかもしれないと思っていました。
一方でもちろん何もとれない可能性もあることもわかっていました。

今回、金がとれなかった直接の理由は、
準決勝でセカンドとサードが不調に陥り、その回復が間に合わなかったことだと思いますが、
今後に改善できることもたくさんあると感じています。

第一にチーム力の引き上げ。
10日間を戦えば、調子が悪いときもある。
そのときでもギリギリ勝てるくらいのレベルアップが必要です。

第2に藤澤さんのテイクショットの改善です。
藤澤さんは大会直前の1月に、デリバリーのフォームを変えたそうです。
石を投げるときに前足のかかとが浮く姿勢からかかとをつける姿勢へ。
このフォーム改善は前回ソチオリンピックの代表決定戦前にも行ったという記録があるはずです。

理由は、ドローショットの安定だそうです。
ここはJDリンドコーチの提案でしょう。
オリンピックでは、多くのチームがディフェンシブに戦ってくる。
そのなかでプレッシャードローを必ず成功させなければならない。
藤澤さんの代名詞でもあるミラクルハイパワーショットを捨てても。

このためか、ドローの安定感はバツグンでした。
一方で大好物のテイクショットがけっこうズレていました。
前3人がうまくいかなくても、従来の藤澤ミラクルショットがあれば、
局面を変えて1点確保というパターンができたのですが、
そのテイクショットが今回は度々決まらなかった。

作戦面は今後さらに成熟していくでしょう。
心配なし。
作戦では、うわさされているミックスダブルスの出場は
経験値を積むことになるので、
もしかしたらロコのチームとしての活動より優先してもいいかもしれません。


それにしても、2016年世界選手権と比べ
二回り成長していたと思います。
負けない戦いができていた
誰かが不調でもカバーして戦い続けた

スゴイ子たちです。

もうひとつ、オリンピックはやはり特別ですね。
戦い方が違う。
特にプレイオフに入ってからは、まったく違う戦い方になっていました。

ゴールドメダルマッチの韓国VSスウェーデンは、
その戦い方を知っているスウェーデンと初体験の韓国の差だったと思います。
もし、ゴールドメダルマッチが日本とスウェーデンだったら
ガチでスゴイ戦いになったと思います。
それが見たかったのですが、次のオリンピックに持ち越しですね。

あと、今回のクオリファイは、日本にとって非常にメダル獲得確率が高いチームが残ったと思います。

最悪は、カナダ・スイス・中国・日本だったと思います。
カナダ・ホーマンが本調子だったら、かなり厳しい。
スイス・中国はあまり得意ではありません(^^ゞ)


簡単に書くつもりでしたが
ずいぶん長くなっているようです。
これで終わります。

石の配置はここからもらいました。
http://www.worldcurling.org/owg2018/livescores

イメージ 5
大ブレイクの藤澤さん、トップ画像だよ