「ふだん通りに滑ること。他人と競うことが目的ではない」
と、いくら自分に言い聞かせても、やっぱりかっこいいすべりで注目されたいという心がもたげてくる。
最初は「この年になったらそういう心から逃れられるはず」と思ったが、やっぱり逃れられない。
「逃れられないのだ」ということが良くわかった。
そこで「自分の虚栄心との戦いだ」とすべてを受け入れたら、少しラクになった。
けっきょく虚栄心とは化け物のような存在なのだ、とわかった。
ヘタレでも、虚栄心を満たす環境は満ち満ちているのだ。
そこで一発いい滑りをしてやる、という心。
さあ、大会まであと2日。
コースはここ、長峰第2Bだ。