はじめに
「テレマークスキー 練習方法」でググると、このブログがトップ表示されます。がこのブログは練習方法についてあまり触れていません。
練習方法について紹介しているのは以下のブログです。そして、これらのメニューはすべてプロスキーヤー・藤川健氏によるテレマークスキーレッスンのものです。
入門編
中級編
カービング大回り
テレマークスキーは、かかとが固定されず自由に上げられるので、滑りかたはアルペン以上に自由です。なので、『これが正しいテレマークスキー』というものはないそうですが、それでも基本はあります。
自分自身の滑りに手あかがついてきたころ、藤川氏(フジケン)にいわれました。
「上半身がローテーションしてもいい。むしろそこは自由だけど、後ろ足の荷重が抜けてはいけない。悪雪が滑れなくなる」
これは上の中級編レッスンで指摘されたことです。
カービング大回りはけっこう重要であることが最近実感できています。
山に行ったときに、一番滑りにくいのがモナカ雪です。なぜならずらすことができないからです。
モナカ雪を滑るには、小回りのジャンプ系ターンと大回りのカービングターンしかないそうです。だからカービングはゲレンデで気持ちよく滑るだけでなく重要らしいです。正直、ボクはまだモナカ雪を滑ることができませんが。
この日の雪はちょっと難しかったです。
ノートラックですが、かるーいモナカだったのです。
1本目は非常に気持ちよく滑ることができましたが、2本目はブーツをスキーモードに戻すのを忘れたことと、疲労で、後ろ足が安定せず、大転倒をカマしました。
まだ本当の力がないんです。ちょっと条件が変わると別人になる。
2017/03/20
10の疑問に答えます
〈おっとっとの図。内足の荷重が甘いとスピンしてしまうのです〉
2012年3月にテレマークスキーを始めて1年間、詳細に記録をつけてきました。というのも、スキー初体験という経験は今後二度とないと思い、習得の記録がほしかったのです。
初日の記録はこちら>>
1.まず。テレマークスキーは難しいか。
ボクは、アルペンスキーも難しいと思っているので、テレマークだけが難しい、あるいはアルペンに比べて難しいということはないと考えてやってきました。いまでもそう思います。
2.アルペンスキーの経験が生きるか。
生きます。最初はまったくダメでも、スキーの扱いやバランスの取り方は共通ですから、アルペンができれば習得は速いです。
中でも、コブ滑りの技術が生きるように思います。たぶん、前後バランスの取り方というか、前後バランスが難しいことをわかっているという点で、経験が生きる気がします。
〈わりとすぐにかっこを作れるのは、アルペンをやっているから。スキー自体が初心者だと、このような谷まわりで傾くことができない。テレマーク8日目〉
記録はこちら>>
3.どのくらいで楽しくなるか。
ボクは2日目から楽しかったです。4日目に薄い新雪で前足に浮力を感じ、おもしろさを知りました。テレマーク最高!! って叫んだ瞬間は、前足のトップを浮かして深雪を滑ることができるようになった最近です。滑走日で数えると27日目でした。こちら>>
〈テレマーク4日目、スキーはまだレンタル。この日のことは4年経ったいまでもよく覚えている〉
記録はこちら>>
4.ゲレンデ練習は重要か。
ちょっと滑れるようになると、ボクは調子に乗ってしまいます。そのとき、1段階難しい斜面に行って課題を体感し反復練習する必要があります。その意味でゲレンデ練習はとても大切だと思います。本数も稼げます。また、シールウォーキングもすごく練習になります。アルペンと違う骨盤? 股関節? の使い方が歩きという遅いスピードの中で体得できます。
5.深雪は難しいか。
フジケンさんに初日のレッスンの時に尋ねたら「難しいです。でもアルペンができれば難斜面をアルペンターンでこなせば、わりとはやく山に行けます」と教えられました。
〈脚の前後の入替がうまくいかなかった(笑)2016.1.21追加〉
こちら>>
ボク的には、フォールラインにからんでスピードにのりたくなるアルペンスキーに比べ、トップを浮かしてボートのように滑っていくテレマークのほうがある意味滑りやすいように感じます。ただし、1年ではまだ深雪小回りができません。ので、どうしてもとなればブーツをスキーモードに変えてアルペンターンすることになるでしょう。
6.どうやって滑るの?
最初はテレマークポジションを取ることに必死で、そうすると徐々に前後のスタンスが大きくなり、案外かっこいいけど制御ができない不自由な滑りになりました。そこから後ろ脚に乗る本来のテレマークポジションの練習を始めました。かっこだけのテレマークからテレマーカーに脱皮するとき。それが後ろ脚に乗れた日、だと思います。
〈かっこだけの時代。いまでも怖いとこのポジションを取りますが、足を開きすぎで不自由!〉
7.テレマークは疲れる
とみんな言いますが、ボクは正直、コブをやらなければ1日中テレマークで滑ってられます。スピードが遅いので筋力を消費しない、というか乳酸がたまらないのです。1日中テレマークで滑った翌日は、長距離のジョギングと同じ疲れ方になります。
8.ころびかたが危険
かなり上手な方でも足払いをかけられたように谷まわりで転倒するシーンをみます。また、飛び込み前転のような転び方もします。内足が逆エッジになって靱帯を損傷するのが最も危険だとも言われています。これらの危険度を総合しても、アルペンスキーより危険だとは絶対に言えないと思います。なぜなら、スピードが遅いからです。ただ、ヘルメットはかぶったほうが良いです。
〈逆エッジになりやすい瞬間。疲れやビビリでこうなりやすい〉
9.楽しさはどこに
個人的な楽しさですが、1番は、のぼって滑ること。やってみると登りも楽しく、スキーを登り/下りの一連パッケージで楽しめます。
2番は、アルペンスキーより目立つこと。自己満足レベルは高いと思います。
3番は、雪の上をゆっくり落ちていく感じ。この遅さがスタイリッシュで、前足のスキーが雪を切る“シューゥ”っていう音が聞こえる「ゆとり感」も楽しいのです。やわらかい雪面なら、スチールエッジがなくても楽しめそう。
〈この写真のタイトルを“I am a Telemarker”とつけています。2015年5月@積丹岳〉
10.最初はどんな装備で?
ブーツは、やはりSCARPA(スカルパ)のT2 ecoか同等クラスしかないと思います。今の時点では、ウォークモードで滑っていますが、最初はスキーモードでしたし、急斜面のアイスバーンはやっぱりスキーモードかなと思ってもいます。
※遠心力とバランスがとれるようになってからはスキーモードに戻りました。が、バックカントリーでスキーモードに戻し忘れることは頻繁にあります)
スキーについては、ボクの経験から、最初の1本はボロボロになります。なのでいきなりベクターグライドとか買わないほうがいいと思います(^_^)
内足で外エッジを踏むのが難しいので、まずはセンター80mmまでというフジケンさんのアドバイスに従い、あまり高価でないスキーを。今の段階では、太い板がほしいとまでは思っていません。太くなれば滑走スピードが上がるでしょう。それに対応する技術がないし、今のところ遅さが楽しいので。
※丸4年になろうとしている15-16シーズンは、前後の脚の入替の難しさに直面し、K2クンバックに心が動いています。でももう少しセンター82mmの板1本でやってみます。
ビンディングは、シールで登ることを前提に、テンションなくかかとがあがるモードがついた、ブラックダイアモンドのO1か同等クラスがいいと思います(先輩のOさんも初めてO1を使って「こんなにラクならO1しかない」とおっしゃっておられます)。
もう一つ忘れてならないことが。最初は滑走スピードがとても遅いので、体が温まらず、ゲレンデで寒いのですが、山では登りで汗をかくため暑いのです。ボクは、フリースより暖かく、ダウンと違って汗でぬれても保温力が落ちにくいというミドラーを買ってしまいました。指先も冷たいのですが、今年はけっきょくガマンしているうちに気温が上がってきました。
※もう体温が上がらないということはなくなりました。滑走速度が中級クラスまで上がってきましたので。
http://www.lostarrow.co.jp/CGI/products/detail.cgi?seq=000801
http://k2skis.com/skis/adventure/backup-1213
http://www.lostarrow.co.jp/CGI/products/detail.cgi?seq=000633
http://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1101434
+1.いつになったらまともに滑れる?
自分は約3年かかりました。2012年3月に始めて、2015年1月ころにまあまあかと思いました。
「まともに」という言葉の意味が、山屋さんとスキーヤーでは違うので、ここではスキーヤー的にまともなテレマーカーとなるための時間を3年としました。もちろん自分の場合です。
滑走日数でいうと、1時間滑走の日も含め70日程度でした。
早いとは言えないでしょうが、スキー初心者が70日でテレマークスキーをマスターするのは難しいでしょう。やはりアルペンの経験が生きています。
今のところ、いちばんの難敵はクラストしたモナカ雪です。ストップ雪よりさらに怖い。
記録はこちら>>
2015/09/02追記
〈この日は最高! 幸せだった。記録はこちら>>
備忘録
左ターンの谷まわりですこーんと転ぶ直接の原因は、スキーが重なるからだけど、その原因は腰が傾いて左腰が下がるために左スキーを踏んでしまうんだな。ここを直すことに重点を置きましょう。
雪面の抵抗をはかりながらエッジ角度を変えるというかなり当たり前のことが、まだぜんぜんできない。結果、ずれにくいときにターン外側に倒れそうになる。
左右幅のある小回り・中まわりができるときと、できないときがある。その操作の違いがまだわかんない。これができるようになると、30度斜面を自分のリズムで降りられる気がする。
※テレマークスキー開始から丸4年、この備忘録から3年たって、ここに書いた課題は解決した。